2011年10月5日水曜日

本と私 2011年夏号 日野図書館編

はじめに

子どもと自然の中でゆったり過ごすのはとても気持ちいい!
森の中でおはなしと音の世界があったら、もっとステキなのに・・・
というつぶやきから始まった「おはなしの森」。
日野図書館の協力を得て、森の図書館も行うことができました。
 
子どもと「私」だけ毎日過ごしていると、悩んだり、煮詰まったり、時には孤独を感じてしまうことだってあります。

とにかく忙しい日々の中、ふと「私」を癒してくれる本や、これからの道しるべとなるような本を手に取りたくなります。
でも、子どもと一緒に図書館や本屋さんに行っても他人に迷惑をかけているような気がして、結局へとへとになって家路へ着くことになりがちです。

そんな子育て中の父たち母たちに向けて企画した「本と私」。
今回は、日野図書館の職員の方々それぞれのとっておきの本との出会いや想いを、語っていただきました。
多くの方の心に届くことを願っています。


おはなしの森 スタッフ一同

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『まず歩きだそう』

米沢富美子/著
岩波ジュニア新書


感動!感動!しました。

三人の子育てをしながら、女性物理学者

として世界を駆け抜ける。

夢を捨てることなく、その実現のために努力し、変えていく姿勢は見事です。

夫がイギリスへ単身赴任したならば、自分も子連れでイギリスへ留学先をみつけ、後を追って行くという、行動力。条件や環境は変えることができることを知りました。

自分の能力に限界を引かないという著者の姿勢にあらためて感動!

子育て中のおかあさんへ、おすすめする一冊です。

日野図書館長 渡辺生子




 
『クシュラの奇跡 140冊の絵本との日々』



ドロシー・バトラー/著
百々佑利子/訳

のら書店 1984年刊行

姪に自閉症の女の子がいます。
この子に妹ができて2、3年たったころから、6月と12月に本のプレゼントを始めました。
離れたところに暮らす子どもたちに何かできないかと考えていたとき、就職して間もないころ読んだ『クシュラの奇跡 140冊の絵本との日々』(ドロシー・バトラー/著 百々佑利子/訳 のら書店 1984年刊行)という本を思い出したのです。
重度の障害を負って生まれた少女クシュラが、絵本との出合いから大きな成長を遂げていくというとても感動的な本でした。
もしかしたらクシュラの奇跡が姪の子にも訪れるのではとの密かな願いがありました。
しかし現実はそう簡単ではありませんでした。
中学生になった姪の子は未だに言葉を発することもできないようです。
障害の度合いも異なるし、読書環境も違うのだからそれも当然なのかもしれませんが……。
とはいうものの、絵本を手にした姪の子は本当にうれしそうな表情を見せているといいます。
この子なりに本の楽しさを受け入れてくれたのではないでしょうか。
奇跡とはいかないまでも、絵本が人生の友となってくれればと願いつつ、さて今年は何を送ろうかとただ今思案中です。

日野図書館 石嶋日出男




『くぬぎむらのレストラン』



カズコ・G・ストーン/著
福音館書店

図書館に返却された本は1冊づつ

ページを繰って確認作業をします。

その時に、おもしろそー、と出会

った絵本はいろいろありますが、

カズコ・G・ストーンの『やなぎむらのおはなし』シリーズも、そんな中の1冊。最初は、『くぬぎむらのレストラン』でした。

昆虫たちが、くぬぎシロップをとって近くの村に届けた後は、見晴らしのいいくぬぎの木の上にあるレストランの準備を始めます。
葉っぱの上にホットケーキをつくったり、メニューをかいたり、お花をかざったり、よく見るとイスはキノコです。何たって小さな昆虫たちの世界のこと、そこに描かれているものはすごく細かい!
 ありのセッセかぞくや、ばったのトビハネさんたちは、高~い木の上にあるレストランに、かぶとむしのツノイチさんとくわがたむしのガシガシさんがひっぱる、かごのエレベーターに乗って上に行くのです。
思わず、子どもの頃のゴッコ遊びのような世界にわたしも突入。
どのシリーズも、のどかであったかく、ちょっと冒険もあって、ひやっとしたあとほっとして、ふと我にかえると、それが小さな小さな世界だったことに驚いてしまう。
あっ、仲田の森って、こんなかもしれないー!と、思い出しているところです。

日野図書館 広田美穂



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広田さんの絵と絵本『ひのっ子日野宿発見』





今回の『本と私』の表紙には、図書館職員であり、画家でもある広田さんが日野図書館を描いた作品を使わせていただきました。
この作品は、日野図書館と市民の方々の協力でつくられた絵本
『ひのっ子日野宿発見』
に収録されています。


日野図書館


日野宿の中心、問屋場(役所)だったところです。
〈高札〉という、幕府のきまりごとを墨で書いた板が、甲州街道に面して立っていました。

図書館の建物は、昭和30年代に建てられた日野郵便局舎を利用しています。
2階には日野宿や新撰組の資料がたくさんあります。

(『ひのっ子日野宿発見』より)


あとがき

日野図書館の方々は、本に人一倍の愛情と知識をお持ちで、日々私たちに本の世界を伝えてくださいます。

 今回の企画を通して、それぞれの魅力的であたたかい人柄を知ることができました。

 初めて企画の説明にうかがった時、地域の方々に対する想いを熱く語って下さった生子館長。
顔写真をいれてはどうかというこちらの提案に「裏方に徹していますから」と恥ずかしそうに答えてくださった石嶋さん。
自らの作品(すてきな水彩画)を快く提供してくださった広田さん。

 推薦してくれた本には子育て中の私たちへのメッセージがたくさんたくさん詰まっていました。

本と私 編集部





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