まなざしカレンダー

2015 ゆく年に想う


2015年が行き過ぎようとしている

「まなざし」として活動してもうすぐ8年

「子どもの居場所づくりを!」と必死で活動していても
それでも、子どもをめぐる悲しい事件は後をたたない
それは、この日野市ででも・・・

今年7月に「なかだの森」で講演していただいた西野博之さん
代表的な著書は『居場所のちから』

「生まれてきてくれてありがとう」
とありのままを受け入れてもらえる場があれば
人は生きていける
と西野さんは書いている
もちろん家庭や学校は子どもにとって大切な居場所だ
でも、家庭に「こうあるべき」という圧力を
社会全体でかけ続け
その責任を親だけになすりつけていても
何も解決できない
そもそも子育ては親だけではできないのだから

学校が居場所だと言える子どももいるだろう
では、子どものことは全て学校に任せていれば
それでいい?
いや、そんなはずがない

次々と起こる子どもを巡る事件を他人事とせず
自分たちでできることをするのだ!
と子育て中の親たちと子育てする中での苦しさを語る中で
「子どもが主人公の居場所づくり」を続けてきた

それは、小さな力を集めての
地道な活動だ
時にヘトヘトで一歩も前に進めないと感じることも・・・

それでも活動をここまで続けられてきているのは
どうしてだろう・・・

いや、まだまだ足りないのだ

全ての子どもたちが
たくさんの大人たちの温かいまなざしに囲まれて
「生まれてきてくれてありがとう」
「君のままでいいんだよ」
と言ってもらえる場が足りていない!

活動の中で出会ってきた子どもたちは
幼児から小学校高学年へと成長している
だんだんと難しくなる年頃だ
ときどきやってきては
親とのあれこれ
学校でのあれこれをつぶやいてくれる
しんどいことをしんどい時につぶやくためには
現在の月6回の開催では足りない

「いつでも君を待ってるよ」

という「居場所」が必要なのだ

しかしながら
悲願の「常設プレーパーク」にしていくには
たぶん行政の本気がなくては難しい

それはそうそう簡単ではない

だからあきらめてしまうの?

今も「なかだの森であそぼう!」の開催は
たくさんの人の応援で開催できている
毎年、1日でも2日でも開催日を増やす努力が出来ているのは
たくさんの人の応援があるからなのだ


12月25日(金)
2015年最後の「なかだの森であそぼう!」は
お母さんたち企画「おとの森」が開催された

なかだの森にわらべうたやライヤー(ドイツの竪琴)の音が響き
森に集う人びとをやさしい気持ちにさせてくれた





 この企画は、ここに長く通ってくれていたお母さんのつぶやきから
たくさんの母たちの小さな力が集まって実現した

何より印象的だったのが
この企画を創りあげることに関わったひとりひとりが
本当に楽しそうで輝いていたこと

立ちあげ当初
 「参加者をお客様にしない。
なかだの森はみんなで創る場なのだから!」
と熱く語りあった日がよみがえった

そう、お母さんたちには力があるのだ
サービスの受け手にしてしまうのはもったいない!
それぞれの得意なことを生かして母も輝いてほしい
いや、得意なことなんてなくてもいい
我が子のためと難しい顔をしないで
誰かの笑顔のために
人と関わる中で
あなたらしく輝いてほしい
その後ろ姿を子どもたちはきっと見ている☆

ある会議で
「日野市はいいですね。あなたたちのような活動をしている団体があって。
〇〇市の公園はゴミだらけで、市に言ってもいっこうにきれいにならなくて・・・。
だから、子どもたちを遊ばせる気にならないんです」と言われた

えっ?公園のゴミは市役所に拾ってもらうものなの?
なぜ、気がついた人が拾わないの?

それこそ、サービスの受け手に成り下がってしまっている発言だ

地域をよくするために動くのは行政だけじゃない
行政がやってくれないからダメなんだ!
なんて言っている暇があったら
行動すればいい
ひとりでしんどかったら、仲間を集めればいい
お金を払って誰かにやってもらう消費者意識は
苦情しか生まない



25日、市役所の方たちが何人も挨拶に来てくれた
中には、ありがたいことに本音で話をしてくれる職員さんもいる

「この活動って、はっきり言ってリスクが高くて大変じゃないですか?
何かあったらって思うと怖くないですか?」

どうやら行政マンは、苦情対応でヘトヘトなのが現実らしい・・・
大きな声の人には対応しないわけにいかないし
まして『責任追及』というものには
こうべを垂れるしかないのが行政だ

そんな大人のおかしさを
子どもたちはどこからか見ているのだと思う
自分の利益だけを優先して
弱いものを排除し
「自分たちでなんとかしろ」と切り捨て
あげく誰かのせいにして
自分は見て見ぬふり

そんなかっこ悪い大人になるのはやめませんか?

自分のできる小さなこと
自分の信じた小さな一歩から
この生きづらい世の中を 
違いがあるからすばらしいと
お互いを認め合い支えあえる世の中に☆
それが実現出来るのも
私たちひとりひとりなのだと思う

「生活者として見る」
今年講演を聴かせていただいて
大きく影響を受けた湯浅誠さんの言葉

当初からまなざしのの活動を
「どろ臭い」
と褒めて(笑)くださった行政の方がいる
これからも生活者としてどろ臭く
とことんこだわって活動していきたい


そう!「生まれてきてくれてありがとう」
とすべての人が
居場所を感じることのできる世の中に☆




さて、2016年
あなたは、どこからはじめますか?



  NPO法人子どもへのまなざし
 代表 中川 ひろみ


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